デジタル図面管理で変わる建築現場の新常識-第1部

図面共有の歴史

私は、建築や不動産の歴史をたどることが好きです。昔のやり方を知ると、新しい方法のありがたさを強く感じます。

今回のテーマは「図面共有の歴史」です。

紙の時代

紙の時代

紙は質感があり、鉛筆で書き込むたびに愛着が増えます。でも、図面を誰かに渡すときは大変ですよね。折り目が多いと破れやすくて、運ぶ場所によっては汚れも付着します。雨の日だと特に苦労します。人によっては、いつも雨よけ用のビニール袋を何枚も持ち歩いている方もいるでしょう。

図面には修正や書き込みが繰り返されるため、新しいバージョンを配布するのは骨が折れます。一度配ってしまった古い図面は、回収しきれないことも多いですよね。それによって現場が混乱することも多々あるでしょう。人によっては、誤った図面を使ってしまいかけた経験があるでしょう。ですので慎重に日付やバージョン番号を確認に時間を費やさなくてはいけない方もいるのではないでしょうか。

私の友人は、トラックで大判図面を大量に運ぶ仕事をしていました。彼いわく「雨と風がいちばん怖い」とのこと。紙は繊細なので、大型の図面は何重にも梱包が必要です。結果として、手間もコストもかかっていました。

紙の図面は、誰でも直感的に扱える利点があります。でも、大きすぎるために保管スペースを圧迫します。折りたたみ方を間違えると、また広げるのが面倒になります。私もよく迷路みたいに折り目をたどりました。建築現場で大人数が図面を囲む光景も、当時は日常茶飯事と聞きます。ただ、そのアナログな雰囲気も粋でよいですよね。しかし、同時に情報が散逸しがちなのが悩みです。修正を加えた部分が、どの図面に反映されているか混乱するのです。誰かが赤鉛筆で書いた要点を、別の人が反映し忘れることもあるでしょう。新人は、先輩の書き込みをコピーし忘れてトラブルになりかけたりと。

デジタル革命

デジタル革命

やがて、図面をデジタル化する動きが進みました。CADの画面を見て、立体感がすごいと興奮した記憶があります。パソコン画面上で拡大縮小が自由にできるし、修正も瞬時に完了します。データをUSBメモリに入れて共有する時代が始まりました。でも、USBを持ち運ぶのを忘れたり、無くしたりする不安もありました。家に忘れて来て焦ったことが何度かあります。情報漏えいのリスクも常につきまといました。

情報漏洩のリスクはこちら

もしUSBを落としたら、誰かに見られるかもしれません。パスワード保護をかけても、怖いと思うことがありました。当時は、インターネットを介した大容量ファイルのやり取りが簡単ではなかった時代です。メールに添付できる容量が小さく、分割送信が当たり前でした。私が担当した現場は写真も多かったので、メール爆弾のようになってしまいました。

デジタル化は作業効率を飛躍的に向上させましたが、同時に新たな課題も生まれました。パソコンのOSやソフトウェアバージョンが違うと、開けない図面が出てくることもあります。CADソフトが古いと、設計会社からもらったデータをうまく開けなかったこともありますよね。そういうときは互換ソフトを探したり、バージョンを合わせる出費が必要でした。現場にいる人は、そもそもデジタル操作に慣れていない方も少なくない時代です。マウス操作に不慣れな方に使い方を教えるのが大変です。何度もマニュアルを作り直しましたが、理解しやすい言葉選びが重要だと実感します。

クラウド連携で広がる可能性

クラウド連携

そして、近年ではクラウドを使った図面共有が主流になりつつあります。この流れは、とても助かります。だって、インターネットにつながる環境なら、場所を選ばず閲覧や修正ができるからです。現場で写真を撮って、その場で自動アップロードされるのも魅力ですね。私の友人は、以前ならオフィスに戻ってから図面を印刷していたと言っていました。でも今は、タブレットを使ってクラウド上の図面を確認できるので、無駄な移動が減ったそうです。

さらに、権限管理がしっかりしているサービスなら、重要書類をうっかり誤送信する心配も少ないです。私がよく耳にするのは、複数の関係者と同時に編集作業ができるという点です。それにより、重複作業や修正ミスが大幅に減るのです。

履歴機能の重要性


クラウド連携では、以前のバージョンを履歴として残せることも注目ポイントです。私は履歴機能が好きです。何か不具合が起きても、以前の状態に簡単に戻せるからです。紙と違って、コピーの山を抱えず済むところがありがたいですね。

データ容量も柔軟に増やせるプランが多く、急な案件増加にも対応できます。昔はサーバーを追加購入するたび、物理的な工事が必要でした。ですが今は、オンライン上でプランを切り替えるだけの場合が多いです。これこそ、大きな変化だと思います。私の先輩は、サーバ更新の手間から解放されて喜んでいました。アップデートやメンテナンスも、自動で実行されるケースが増えています。セキュリティ面でも、暗号化通信や多要素認証が標準搭載されるようになりました。紙の時代には考えられないレベルの安心感です。

図面共有の革命

私は、このクラウド連携こそ「図面共有の歴史」における最大の革命だと感じます。手作業での訂正から、アナログとデジタルの混在を経て、現在のリアルタイム共有に至るまで、多くの人が知恵を出し合ってきました。私が最初に経験した紙中心のやり方は、不便さも多かったですが、あの温かい現場の空気も思い出深いです。でも、効率を求められるいまの時代には、やはりクラウド連携は強力な味方だと確信しています。これからも、新しい技術が生まれるたびに、図面共有はもっと進化していくでしょう。

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